【パソコン】MZ-700に不可能はない!
9月3日に「GAMESIDE」2007年10月号が出ました。
「ゲーム批評」が迷走の末、消滅したあとは「ゲームを楽しむ」総合誌として随一のものになって「しまった」雑誌です。
「CONTINUE」に関しては、路線変更は好ましく思ってるので念の為。
巻末にゾルゲ市蔵氏が「8bit年代記」という30代以上ゲーマーには感涙ものの大感動巨編(かなり嘘)を連載していますが、今回のテーマは「MZ-700」でした。
MZというパソコンは、シャープのパソコン事業部から出ていたパソコンのシリーズです。
シャープといえばテレビ事業部が出したX1やX68000のほうが有名になってしまってますが、本家本元はこちらだったんです。
クリーンコンピュータという、「内部にBASICやOSを持たない」ことを売りにしてました。
これはX1でも同様です。
今のWindowsマシンはそうなってるので、それしか知らない人には何がなにやらでしょうが、当時はBASICやOSは内部にROMとして持ってました。
つまりは「バージョンアップ不可能」だったんです。
変えるためにはROMの差し替えしかないという恐ろしいものだったのです。
これのおかげで我が家の「X1Turbo3」はX1TueboのBASICもX1のBASICも立ち上がりました。
基本的には互換性無いですから、同じプログラムが動くということは、よほど単純なものでない限りは無理です。
ウチは5インチフロッピーでしたからさしたる不便は感じませんでしたが、今回の漫画によるとカセットテープベースでは相当な苦痛だったようですね。
MZ-700といえば、パソコン黎明期の代表選手みたいなMZ-80(ディスプレイ一体型パソコン)と超高性能(当時及び当社比)パソコンMZ-2500の間の黒歴史みたいな認識であったと思います。
MZ-2500の前にMZ-1500がありますが、これについては何の印象も無いので(笑)
どれくらい凄いかといえば、「マッピー」というナムコのネズミの警官が猫の盗賊を追いかけるゲームがありますが、グラフィックが使えないために金庫は「キンコ」モナリザの像は「モナリザ」と書かれたただのテキストになっていて、それを見て「これは金庫だ」とか想像する究極に想像力を刺激するゲームだったわけです。
言葉だけだとわかりにくいので、ちょっと書いてみると、
キン モナ
コ■ リザ
-----------
という具合に床に置かれているわけです。
「グラフィックがヘタにキレイじゃない方が想像力が刺激されていい」というお高尚なお思想を持つおゲーマーには是非ともおプレイしてもらいたいですね。
そんなMZ-700に強力な味方が現れました。
(ただし、オプション。標準実装はMZ-1500から)
「PCG(Programmable Character Generator)」です。
8×8ドット、デジタル8色で好きなパターンを作成して、文字と置き換えることができるという機能です。
上の場合だと、例えば「モナリザ」は16×16ドットになりますから、ドット絵を描いてPCG表示モードにすればホラ、綺麗なグラフィックの出来上がり。というわけです。
もちろんPCGとテキストは併用できませんから、PCG使う場合は文字もキャラクタで作る必要があります。
それらしい文字であればルーチンで作れるので、たいていはキャラは特殊文字や記号で作りますけどね。
PCGのおかげでMZやX1の投稿ゲームはキャラクタ「だけ」は市販と遜色ないレベルで表示できたりするわけです。
何せパソコン内部の処理はただのテキストの羅列なので、グラフィック扱う場合に比べて圧倒的に早い。
市販ソフトでは、そのためにスクロールする背景をPCGで描いて、小さくて済むキャラクタはグラフィックで描くのが一般的でした。
しかし、それを使わずにとんでもないことをした人がいました。
なんと、このMZ-700で「ゼビウス」や「スペースハリアー」を作ったのです。
作者である古籏一浩氏のサイトです。
この方のWeb関係の著作は家にもあったりします。
下のほうの「その他」に「mz-700」のリンクがあるので、そこに入ると氏が製作したゲームの動画などを見ることができます。
雑誌掲載時にそのスクリーンショットは見ましたが、動いてる画面を見たのは実は初めてです。
が、例えば「スペースハリアー」はX1版よりよく出来てる気がします。
一部にはX68000版でさえ実現できなかった部分を実現していたりします。
ここまで来ると本当に「不可能はない」という言葉が嘘ではないように思えてしまいます。
当時のパソコンはメーカーどころかブランドが違えば互換性は全く無く、それらで共通で動くプログラムを作るための統一OSであるS-OSとか、それらはマシン語のダンプリストだったので、それを入力するために重宝した「Machinto-C」とか思い出はいろいろあるけども、そんなに詳しいわけではないので語りません(^^;
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