【特撮】ハニー第19話 畏怖と排斥
前回の、父親の墓の前での諍いからです。
何気にオネエ化した中条が見てますが。
ユキの体の中から物質化したやつですね。それを見て中条が少し笑ってるのが不気味です。
ユキは早見の事務所で寝込んでいます。
橋の下のバラックになってますが、前からこんなとこだったかな?もう少しマシなとこだった気が…
目覚めたユキは傍らに置いてあった、例の体内から発生したものを見て「私の体からどうしてこんなものが…」とうろたえてます。
私からすればお前の腹の中にこそ相応しいと思いますが。
ハニーに「何か知ってるんじゃありませんか?私の体に何が起こってるんですか?」と聞くユキですが、早見が「何があってもユキちゃんを守るから」って言ってるのはガン無視ですな。
ハニーは何を言われてるのかわかってないようです。お前だってこの前暴走したろうが。
ユキは前にミキに言われたことを思い出します。
そう、「近い将来、お前の体に異変が起こる。覚悟しておけ」と暴走ハニーを追いかけてたときに言われたやつです。
ユキは出て行ったミキを追いかけ答えを聞こうとします。
ミキは「私もお前も残された時間はあとわずかってことだ」と答えます。
どういうこと?と意味がよくわかってないユキに「欠陥品なんだよ」と自嘲気味に言うミキ。
ユキはお父様からの贈り物であるこの体が欠陥品だなんてありえないと掴みかかります。
こういう会話をしてるってことは、自分らがアンドロイドだってことは知ってるのか。
それを振りほどいたミキは「運命は受け入れるしかない」と歩み去りました。
驚愕の事実に愕然としているユキに「運命は変えられるわ」という言葉が投げかけられます。
驚いたユキが振り向くと中条が立っていました。
中条っつってもオネエ化してるのでイヤリングにハンドバッグですが。
ユキも中条は知ってますが、自分の記憶とは随分違うので、非常に訝しげな目で見ています。
そんなユキにイイコト教えてあげると中条が寄ってきます。
何の知恵を授けたのかわかりませんが、冒頭の中条の薄い笑みに繋がるんでしょうね。
女子寮ではハニーが珍しく悩んでます。
夏子が聞くと「ユキちゃんのことでちょっとね」と呟きます。
夏子にとってはユキって合コンで目当てを取られた憎い相手だろうな。
「ハニーは優しいね。いっつも友達のこと考えてて」という夏子の言葉に無意識のトゲを感じるのは私だけか?
無邪気な友達思いって日テレのドラマ「ボンビーメン」を思い出します。
あの小栗旬も嫌いだから、私の性格かな。近親憎悪みたいなもんです。
「もし、アタシが病気になったらどうする?」と聞く夏子に「そんなの決まってるよ。元気になるまでずーっと看病してあげる」と即座に返すハニー。
「あたしだって、ハニーが元気になるまでずーっと手を握っててあげる」と答えた夏子の手を嬉しそうに取るハニー。
ボンビーメンよりムカつかないのは、自分の度を超えたことはしないからか。
あくまで自分の交友範囲、できることの範囲内の優しさだからな。
そんな夏子から転校生の話を聞くハニー。ハニーの新しい友達になるでしょうか?
転校生はユキでした。
入ってきた瞬間に名前を呼んで飛びついたハニー。
「今日からクラスメートだね」「これからもよろしくお願いします」という会話は和やかですが、どうにも私はユキのことを真っ直ぐな目では見られません。
「この子は剣持ユキちゃん。仲良くしてね」と紹介するハニーを見てるクラスメートの目はなんか嫌そうです。
やっぱりハニーってクラスで嫌われてるんだろうか。
数学の授業でミキが当てられて素数を淡々と言い始めます。ミキのことだからいいと言われるまで言い続けるんでしょうが、今日のハニーはテンション高いので、「私たちも一緒に」とユキを誘って並んで立って言い始めます。
そういえば、ミキはハニーの右隣だったけど、ユキの席は左隣になったんだ。
そこに座ってた人間どこいった?
例によって「もういいです。よくできました」の声でハニーは机の上で踊りますが、ユキも一緒に誘ってやってます。
ユキも一緒にやるのはハニー崇拝してるからか?
踊りもダブルになってお遊戯会並にグレードアップしました。
ミキが校舎の屋上にユキを呼び出しました。
「狙いは私だろう」と殴りかかるミキの拳を笑いながら受け止め、「随分と自意識過剰ですのね。私、あなたなんか眼中にありませんわ」と切って捨てるユキ。
「でもこれからは仲良くしましょう。クラスメートなんだから」と無理やり握手して去っていくユキ。
ミキは何かを企んでいると危惧していますね。
昼食時はユキは五段重ねの重箱持ってきてます。さすがは金持ち。
「良かったら皆さんで」と言ったら重箱を持っていく生徒が続出。ここは難民キャンプか。
しかし、ユキはそんなことも想定済み。「まだまだありますので」と、さらに重箱を持ち出します。
もちろん、一番食べて欲しいのはハニーですから、ハニーに勧めようとしますが、ハニーはそこにはいません。
例のドカドカ弁を夏子と一緒に食べてます。
「今週はここで食べよう?」って中庭脇?にちゃぶ台置いてます。
いつも思うのですが、この弁当誰が作ってるんでしょう?
それを影から見てたユキを、前にハニーやミキを呼び出したグループが呼びつけます。
転校生のくせに生意気だと言いたいようです。つうか、前にミキを使ってカツアゲしたことはすっかり忘れてるのか。
ユキは「前にどこかでお会いしたことありません?」と聞いてるから、ある程度は覚えてるんでしょう。
それに対して因縁付けか?と凄むリーダー格。
ユキはニッコリ微笑むと人差し指を上に突き上げます。
すると背後からお札で作った紙飛行機が飛んできました。
なんとなく無敵艦隊です。
その紙飛行機が不良グループを襲います。どんな機構で動いてるんだろうか?
「おみそれしやした。親分」と土下座というか神様に対する原住民のようです。
ユキはその三人に何事かを依頼しました。いよいよ企みが発動するのか?
体育の授業でバレーボールやってますが、そこにバレーボールと金属バットを持って現れ、ハニーに向かって打ち始めました。
バレーボールをバットで的確に打つって難しいと思うんだけど、次々とハニーに向かって打ってます。
意外と凄い運動神経なのかもな。
ハニーは打ち返したり避けたり、蹴り飛ばしたりの大活躍です。拳法の演舞みたいだな。
打ち返したボールがリーダーの頭を打って昏倒させました。
すると、「さすがですわ」と拍手しながらユキ登場です。
「見事な運動能力ですわ。さすがアンドロイド」といきなり核心を突く発言です。
「なにそれ?」と意味がわかってない夏子たちに「知らなかったんですか?ハニーさんは人間じゃない。アンドロイドだって」とサラリと言ってのけます。
「ね?ハニーさん」と確認を求めると、「は~い、アンドロイドで~す」と手を上げるハニー。
みんなドン引きです。
正体知ってドン引きなのかと思ったんですが、夏子は「はいはい、ウケたウケた。みんな、試合続けるよ」と「いつものこと」として処理してしまいました。
こんな学校だからこそハニーも居られるんだろうな。
企みが頓挫したユキは不満そうです。
トイレで苦しんでいるユキ。また体から物体が出てきます。
出てくるものが、ミキより現象が急で深刻だな。
不良三人組は食堂を罰掃除中です。
「なぜばれたの?」とか会話してますが、体育の授業中にボールのケージとバット持って打ちまくってて、どうしてバレないと思えるのか説明願いたい。
その下ではハニーと夏子が食事中です。
不良たちは火災報知機を雑巾掛けしようとして手すりに乗っかってます。
危ない姿勢だけど、それ以前に火災報知器って触ってもいいのか?
ユキは空中元素固定装置の力を使って脚立の留め金のところに野球のボールを生成、留め金のロックを外します。
バランスが崩れて落ちる不良をハニーフラッシュして助けるハニー。
夏子の目の前で変身したのか。永井作品においては、こういうのは破滅への第一歩ですね。
助けるときにナイフやフォークで腕を切ったハニーに気づき、夏子たちが息を呑みますが、「大丈夫、すぐ戻るから」と首のチョーカーに手を当てて、空中元素固定装置を作動させます。
すると、傷は見る見るうちに消え去りました。
それで「大丈夫」と笑うハニーを夏子たちは異様なものを見る目で見ています。
異質への畏怖です。デビルマンとかと同じ構図ですね。
それにしても、この食堂はナイフやフォーク、スプーンは割り箸みたいにテーブルに備え付けてあるのか。ちょっと不衛生だと思うぞ。
ともあれ、これでハニーがアンドロイドだということは確実に頭の中に刻み込まれました。
夏子など、さっき怪我して絆創膏巻いたままの自分の指と見比べています。
ハニーは皆の見る目が変わったことに気づいてないようですが、ユキは予想以上の結果にほくそえんでいます。
早見の事務所で夕食を食べているハニーのところに早見が駆け込んできます。
ハニーが変身したことを夏子が電話で知らせたのです。
「ハニーはアンドロイドなんですか?」という問いに「オ~ゥイエ~ィ」と早見は答えたようです。
「嘘はつきたくなかったから英語で誤魔化そうとしたけど、ダメだった」というのはどんな言い訳なんだろう?夏子は目の前で見てるんだし。
ハニーは全く深刻に考えてないようですが、早見は明日からの周りの目を気にしています。
それに耐える覚悟はできてるのか?と問う早見に「大げさだなあ」と笑うハニー。
今気付きましたが、ハニーが食べてるのはカブトガニのグラタンか。カブトガニは食べてる地域もあるらしいけど、どうやって手に入れた?
女子寮に戻ったハニーはさっきのグラタンを夏子にも食べさせようと渡しますが、思わず手が引けた夏子はグラタンを落としてしまいます。
まだ「ゴメンネ」という余裕はあるようですが、このままでは排斥に繋がっていきそうな予感。
翌日の学校はハニーがアンドロイドだった話で持切りです。
それをミキが渋い顔をして見ています。
そこにハニーが入ってきますが、ピタリと静かになりました。
先に学校に行ってしまった夏子のところに来て話しかけますが、夏子は目を見ずに「用事があって…」と言い訳します。夏子も一般人だからな。
変わらずにこやかに挨拶するのはユキです。
もしかすると、ユキはハニーを独り占めするために昨日の工作をしたのでしょうか?
授業で「この問題わかる人」という先生の言葉に両手を挙げて答えるハニーというのは日常の光景ですが、答えようとしたらハニーがアンドロイドだったってことを「聞いてないよ~」と不良グループのリーダーが告発します。
アンドロイドなら、勉強もスポーツもできて当たり前だってことです。
人並みに調整され、サイボーグ(=機械)ゆえに緊急出力的な火事場のバカ力を出せないように設計されたカーミ・サンチンみたいな例もありますが、まあ例外中の例外だしな。
先生は「なんのことかな?」とアミバみたいなこと言ってますから知らなかったのでしょう。
だからこそ、あんだけ褒めたわけだが。
「ゴメンね、みんな。隠してたわけじゃないけど、最初から言っておいたほうが良かったかな」と笑いながら言って、机の上に立ち「如月ハニー、実はアンドロイドでした~」とおどけて言うものの、皆は無視です。心の狭い学校だな、ヲイ。
「隠しててゴメンね」と謝るハニーにも無視。
ハニーは机の上で四方にごめんなさい、机から下りて一人一人の前でも頭を下げてます。
最後は教室の後ろで土下座です。正月の予言の一つがまた実現しました。
アンドロイドがクラスメートなんてまず有り得ないんだから、普通は喜ぶと思うのだが。
そんなハニーを見て薄く笑うユキ。ユキの行動が第二部の要になるのかな。
昼食のときも夏子は来ないので食事が始められません。
それを影から見て「やはり恐れていた状況になったか」と呟く早見。
ここは部外者立ち入り自由ですか。
ハニーが可哀相だから、せめて自分が一緒に食事を!と飛び出しかけたらユキに遮られました。
関係者以外立ち入り禁止だと、実に正論を語ってます。
そこへミキが割り込んできて「どういうつもりだ?」と詰問しました。
ユキの答えは「ハニーさんは私だけの物。お父様からの愛の贈り物だったのです」という言葉。
なにやら、中条がうまく吹き込んだようです。
ハニーの体内から空中元素固定装置を抜き取って自分に埋めそうな勢いだな。
中条と会ったときに、中条はフラッシュするように言ってみたようです。
フラッシュした瞬間に人形を投げられると、その人形を取り込んでしまってユキは苦しみだしました。
トイレで物体化して取り出したものは、このとき取り込んだウサギの出来損ないみたいなヌイグルミからできたもののようです。
ミキは鉄が出てきますが、ユキは石が出てくるのかしら?
中条はハニーの体があればユキの欠陥を治すことができると言い出します。
「あなたと違って如月ハニーはアンドロイドよ」ということは、ユキは人間なのでしょうか?
血液型も誕生日も同じだから、てっきりユキもアンドロイドだと思ってたのですが。
ハニーがアンドロイドだという事実からユキが導き出した結論は、ハニーはユキのために用意されたスペアパーツだということ。
「ハニーを殺すつもりか?」と問うミキに「あの人はもともと人間じゃないんですもの。殺すも殺さないもないですわ」と平然と言ってのけるユキ。
ミキの存在や自分の出生についてはどう思ってるのだろう?
夜になってハニーは情報誌見ながら遊園地に行こうと夏子を誘いますが、夏子はガン無視です。
ハニーは寝たのかと思って気にしてないようですが、前例を考えると、嫌なことからは逃避しようとする思考回路があるのかもしれない。
朝になって学校に行くと、教室には誰も居ません。
そして黒板には大きく「アンドロイドは出て行け!」と。本当に永井作品らしくなってきたな。
机も取り払われ、床にはそのまま荷物が置かれています。
弁当箱には「オマエはこれでも食ってろ!!」という書置きが乗せられ、中身は大量のネジ、ボルト、ワッシャの類です。
それを見てショックを受けるハニーに「おはようございます」と声をかけるのはユキです。
「私がついてますから」とにこやかに言うユキに泣いてすがりつくハニー。
今まで何があってもへこたれなかったハニーがついに崩れました。
「大丈夫。ずっと私がそばに居ますから」という言葉は真の意味考えると怖いな。
スペアパーツだから、体のどこかを取られた後も生かされる、もしくは空中元素固定装置で再生させられるってことだよな?
「だって、私とあなたは二人で一つなんですもの」という、普通なら熱い友情を示す言葉がこれだけ怖く聞こえるシーンには初めて出会いました。
外ではミキが入れずにいますが、ハニーは「もう一度だけ謝ってくる」とユキに告げます。
弁当箱持って出て行くハニーをこれ以上ないほど冷淡な顔で見送るユキでした。
図書館では「アイツ今頃泣いてるぜ」とかつてのクラスメートたちが笑いながら話してます。
夏子は「Future」という雑誌を捲ってました。
「Newton」のパロディなんでしょうが、特集は最先端ロボット工学と最先端クローン技術のようです。
「Newton」も一般向け科学雑誌とはいえ、こんなものを読む女子高生ってかなりレベル高いよな。
そこにハニーが入ってきて謝ります。
「これからは皆の宿題ぜ~んぶやるから!」ってのはボンビーメンレベルにハニーが堕したことを示します。
個人的には凄く嫌だなあ。これからハニーはちゃんと変わってくれるんだろうな。
「これだって食べろと言われたら食べるよ」と弁当箱を開けます。
ネジを食いながら美味しいと笑ってみせるハニー。普通は逆効果だろう。
やはり、まだまだハニーの精神構造は未完成なんですね。
「これからもずーっと友達に」と言いかけるハニーに「誰がそんなんで騙されるか」と不良のリーダーが立ち上がります。
「機械と友達になれっかっつーの」と他の生徒も追随します。
「お前は存在してないのと同じなんだよ」とも。
人間じゃないんだからとここまで言えるのは恐ろしいことですが、動物虐待や、反対に間違った動物愛護活動も同じような根っこを持ってます。これこそ人の心の闇です。
残っていた夏子も他の子に手を引かれて行ってしまいました。
ハニーは本当に一人ぼっちです。
深夜の特撮ってこんな方向に進化してたんですか。
これを見ないのは大いなる損失です!
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