【バラエティ】古舘と加藤のどこまでやるの?
4月18日の報道ステーションについて。
ちといろいろあったので、日記を書く余裕がありませんでした。
何があったかは後日。とりあえずは新しいAVはいろいろ面倒ねってことで。
4月18日の報道ステーションでクラスター爆弾について取り上げてました。
まあ、報道バラエティにツッコミを入れるのもヤボかもしれませんが。
古舘の「多くが地雷のように不発弾で残ったままになって」とお決まりのクラスター爆弾の説明で始まりました。
いつ爆発するかわからんものを地雷のような「兵器」として使えるものか考えたらわかるだろ。
軍隊はテロ行為を行ってるんじゃないわけで。
とにかく、番組の進め方は見出しを見ればわかります。
「犠牲者は民間人ばかり。”非道”クラスター爆弾」
つまりは結論ありきってことで。
セルビアでクラスター爆弾の不発弾処理をしていて両手足を失ったブラスニスラブ・カペタノビッチさんの発言を取り上げてました。
クラスター爆弾:両手足失ったセルビア男性、12日に来日(毎日jp)
「クラスター爆弾は現在最も残酷な兵器です」というカペタノビッチさんの言葉から流れが始まります。
「最も残酷な兵器」とか言われると被爆国である日本からすると「え?」と思いますが、個人の思いとして滾るようなものがあるのはわかります。
NGOの「ハンディキャップ。インターナショナル」によると、ベトナム戦争以来のクラスター爆弾の犠牲者は、死者5500人、負傷者7200人で、そのうち95%が民間人なんだそうです。
確定数だけって話だから、これで全部ではないんでしょうが、これを信じると戦闘員の死者は300人足らず、殺傷率は40%超という驚異的なのに肝心の相手は殺せない兵器となります。
もしかして、ヒズボラとかのゲリラは民間人にカウントされてないでしょうか?
ここでオスロ宣言の話。クラスター爆弾禁止条約です。
米ロ中、イスラエルなどのクラスター爆弾を保有&使用している重要国は参加してません。
日本は会議には参加したものの、宣言の採択はしていません。
クラスター爆弾の問題は5%~40%と言われる不発率の高さですから、不発率を1%以下にしたクラスター爆弾なら問題ないという部分禁止の主張です。
何故全面禁止には反対するのか、それには理由があったのです。
ということで、見出しが
「最も残酷な兵器 保有する日本」
になります。
自衛隊は、陸自はアメリカでMLRSの実弾訓練をしています。
当然MLRSのロケット弾にはクラスター弾があります。
空自もクラスター爆弾を持っています。アメリカ製ですから、「イラク戦争で使ったものと同じ」と、「非人道的である」アピールをします。
クラスター爆弾について、防衛省の見解は、
石破防衛大臣
「攻撃的に使うのではなくて、あくまで抑止力として防衛的に使うということで、私どものクラスターの保有の考えは成り立っている」
田母神航空幕僚長
「クラスター爆弾という抑止力を持たない場合、また侵略が起きるという可能性もある」
要は、自衛隊が限られた戦力で敵を撃退する場合、クラスター爆弾は重要な戦力となるってことです。
自衛隊はどうしても本土決戦になりがちで、米軍の支援をあおぐので、水際防御、遅滞防御になります。
前は対人地雷という有効で低コストなものがありましたが、これは禁止条約に調印することで全部廃棄したので使えません。
ちなみに、対人地雷禁止条約は、役に立ってないという見方が強いものです。
防衛省の「自衛に使うんだ」という論調に対して、カペタノビッチさんは反論します。
「クラスター爆弾は攻撃用の兵器です。自国でクラスター爆弾を使う国なんてありません」
決め付けられても困りますし、日本には他に選択肢が無いんですから、必要とあれば使いますよ。
カペタノビッチさんの講演を聴いた大学生にインタビューをしていますが、「日本は戦争をする国ではないので、やっぱりショックですし、やめてほしいと思います」というコメントです。
やはり基礎を教えずに何かを理解させようというのが無理な話ではないかと。
戦争って相手があるものだし、日本が不戦の誓いをしても、攻めてくる国を縛れるものではない。
嘘だと思うなら、治安の悪いところで「自分は法を犯さない」と誓って防犯対策をせずに暮らしてみるといい。
さて、ここから報道ステーションの本音が炸裂します。
沖縄をはじめとする米軍基地がありますが、「日本がクラスター爆弾の廃止に消極的なのはアメリカへの配慮なのか」とナレーションが入ります。
日本はアメリカのポチだと言いたいようです。
沖縄ではクラスター爆弾を搭載する攻撃機が目撃されている、と、さも恐ろしいことのように言いますが、装備体系にあるんだから搭載してても不思議じゃないだろう。
核爆弾積んでたって話ならともかく。
で、4月9日にハリアーが500ポンド爆弾2発を訓練域外に誤って投下するというトラブルがありました。
沖縄の米軍機誤投下:投下したのは実弾 米軍が訂正(毎日jp)
で、不発だったようですが、「誤って投下されたのがもしクラスター爆弾だったら…地元では不安が広がった」というナレーションが入ります。
信管が生きてるクラスター爆弾(対非装甲用)だったらほとんど海上で爆発するように思うし、仮に不発弾になったとしても海底に沈むでしょう。
そのとき真下にいたとかで無い限りは民間人に被害が出ようはずがありません。
それとも、海底に潜って拾っちゃうんでしょうか?
取材はカペタノビッチさんの
「全てのクラスター爆弾は悪なのです。他の国々にも大きな刺激を与えるためにもぜひクラスター爆弾の全面禁止に賛成してほしい」
という言葉で締められます。
カペタノビッチさんのクラスター爆弾への怒りは十分に伝わりました。
しかし、思い込みの激しさだけでは何もできないし、日本が禁止条約に参加したからって情勢が変わるとも思えないです。
対人地雷で良くなったことなんてないし、そもそも憲法9条だって影響与えてないじゃないですか。
ちなみに、外交問題を武力で解決することを規定した憲法なら世界中にあります。
さて、ここからが古舘と加藤の絶妙なるコントの始まりです。
古舘「この爆弾に対してアメリカに気を使っている場合じゃないと思いますが」
そもそもアメリカに気を使ってるわけじゃない。
加藤「これからは日米の一体化が進みそうだってことを考えると、自衛隊が保有しているクラスター爆弾は手放しにくいって感じがする。
10年前に対人地雷禁止条約を締結した。つまり、第一の地雷を捨てた。だから第二の地雷はもとより要らない。むしろ、先頭にたって廃絶を訴えていく、そういう外交を展開してほしい」
米軍と装備の共通化をはかるのは当然ですが、第一の地雷を捨てたから第二の地雷(この表現がおかしいけど、本土防衛に必要な兵器と理解してください)が必要になったんだろうに。
クラスター爆弾を廃棄する代わりに対人地雷を復活させてもいいでしょうか?
加藤「攻撃的兵器、防御的兵器という議論があるが、カペタノビッチさんの『防衛に使う兵器ではない』という言葉に耳を傾けたい」
感情論をそのまま受け入れないでください。
古舘「防衛省関係者が言っている抑止力っていうのは全く理解できませんね」
今回一番の名言です。
仮にも報道番組のキャスターをしている人間が抑止力の概念がわかってないとかありえないだろ(笑)
兵器ってのは攻めさせないことに意味があるんだよ。
使われなければOKだけど、その場合も影響力は与えてるの。
古舘「これは、不発率1%以下ならばいいというような本当にあいまいな詭弁を弄している日本は、福田首相の決断で、ここは全廃という風に舵を切っていただきたいなと。切に思います」
不発率ってけっこう高いんだけどな。通常の砲弾や爆弾でも信管が働かなければ不発弾になるんだから、柔らかい土に潜ったとかで簡単に不発弾になる。
詭弁を弄せば(笑)戦艦の主砲弾の不発率ってどれくらいだろう?
艦隊決戦をやったとして、かなりの不発率になると思うが(笑)
この場合の不発率は「爆発しなかった砲弾」を全部数え上げた場合です。
で、この話を次のネタに続けたいので、
古舘「振り返れば、当然クラスター爆弾は湾岸戦争、イラク戦争に行っているわけです」
と、「これまでの報道」でわかった「最も残酷な兵気が使われている」イラクをネタにもってきて、名古屋高裁でのイラクでの空自の派遣の違憲の話につなげるわけです。
ある意味わかりやすいけどな。
違憲判断っても、傍論だから判例にならないし、影響はないので、こんな話も出てくる。
イラク活動違憲:「関係ねえ」発言で防衛省に抗議文 原告(毎日jp)
日曜の番組では裁判官が退官前だったということで、そこからこんなことを言ってみた状況が窺えるように思います。
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