【鬼太郎】第89話 師匠が走れば地蔵も動く
年の瀬の忙しい雰囲気を喜んでいる妖怪がいました。
忙しい人間のオーラが大好物の「いそがし」
声が山口勝平なのもチョコマカした鬱陶しさに拍車をかけてます。
おせち半額セールに並んでいる主婦に縄のようなものを投げると、頭に巻きついて主婦が壊れました(笑)
今回はこのパターンが続きます。
忙しい忙しいと狂乱して列を乱し、店員と殴り合いの騒動に。
それを見るのが楽しいし、オーラも山ほど出てくるしで、妖怪的には最高のシチュエーションなわけですね。
そんないそがしが流れてくる大量の忙しオーラを感知した先は「ワンダ運送」の集配所。
猫じゃないモン。
そこで働く哲也は高校を休学して働いてる身ですが、父親が亡くなった後働いてた母親が過労で倒れたという事情があったのでした。
所長はそこらへんを承知しているので、妹を保育所へ迎えに行く時間には上がらせてくれます。
たどり着いたいそがしが、面白くしてやろうと所長に縄をかけました。
所長も仕事の鬼になりますが、幸い哲也は上がった後。
どうもバリバリと被るなあ。
【アニメ】鬼太郎第60話 バリバリ伝説(ブログ内記事)
いそがしが暴れてるとの情報を得て買い物がてら街に出た鬼太郎ですが、誰も彼もが忙しそうで、どれがいそがしの仕業なのかさっぱりわかりません。
鬼太郎にぶつかってきた人も、携帯での打ち合わせに夢中でぶつかった事にさえ気付かない様子。
鬼太郎の買い物カゴは噴水に落ちてしまいました。
いつも思うんですが、蛙の目玉だか卵だかに見えるものとかをどこで買ってるのでしょう?
拾いに入った瞬間に噴水が噴き出すという間の悪さでずぶ濡れになりますが、道行く人は誰も気に留めません。
都会の人間ってこんなにも冷たいんですか…
そこに「大丈夫?」と声をかけてきたのはまゆという女の子でした。
鬼太郎に出てくる少女ランキングからすると…ゲフンゲフン
この子は先ほどの哲也の妹で、保育所からの帰りのようですね。
哲也は自分のジャンバーを鬼太郎にかけてやり、家に来いと誘います。
優しい兄妹だ。
鬼太郎たちが階段を下っていると、光が射してくるのに気付きました。
お地蔵様が光っていたのです。
光が見えたのは鬼太郎だけですが、まゆはここを通るときに毎日お参りをするんだそうです。
まゆはキャンディを供えて何かを一心に祈りました。
家に着くと「お家にお客様が来るの、久しぶりなのよ」とまゆが言ってますが、棚にはカップラーメンが積んであります。
袋麺にしないぐらいは困窮してないのかとも思いましたが、小さいまゆが食べるためにはこちらのほうが安全ですね。
哲也が用意してくれたのはホットミルク。
まゆも好きそうだから、牛乳を常備してるんでしょう。
ここで、まゆがお地蔵様にお願いしてたのは鬼太郎が風邪をひかないようにということだとわかりました。
困ったことがあると、いつでもお地蔵様にお願いするんだそうですが、そうするといつでも笑って「いいよ」と言ってくれるんだそうです。
最後のほうはあくまで希望だけどな。
「まゆのお願いを絶対に叶えてくれるの」という言葉には、何か切実な願いがあることがうかがえました。
鬼太郎がお地蔵様に「失礼します」と手を当てると、まゆの願いがわかります。
鬼太郎がときどき使ってる能力ですが、昔の鬼太郎にこんな能力ありましたっけ?
まゆの願いは過労で倒れている母親の回復でした。
ずっと意識不明の状態のようです。
ここで安易に高校を退学しない哲也の判断が、最近のドラマ見てると素晴らしいものに思えますね。
具体的には言いませんが「恋空」とか(笑)
それを聞いたねこ娘がバイト代を家計の足しに…と言いかけると「止めたほうがいい」と冷徹な鬼太郎の声が。
多少の金で解決する話ではないし、自力で頑張ってる人間たちには不遜だと。
助けたいから調べたんじゃないのかというねこ娘の問いに「お母さんの病気を治せとでも言うのかい?僕にそんな力は無いよ」とあくまで跳ねつける鬼太郎。
「僕らのもたらす関与の結果の全てを見通せるわけではないんだからね」とあくまで妖怪と人間の線引きをする鬼太郎の態度は、過去幾度も経験した苦いものがあるんだろうなとは思います。
その頃、いそがしはワンダ運送で大喜びでした。
従業員が一休みしようと思っても、そこに縄をかけるとまた「忙しい!」と走り出す有様。
哲也も何かおかしいとは思いながらもまゆを迎えに行く時間は忘れません。
しかし、所長が聞く耳持たないで~す。
「みんな一生懸命働いてるんだ!用事があるのはお前だけじゃねえんだぞ!なのにお前一人で先に帰る気か!」というのもある意味正論だしなあ。
いそがしに取り憑かれてるもんだから保育所への電話さえ許されませんでした。
ねずみ男は路上でお守りを売っています。
けっこう地道に金稼ぎもするのね。それがサボテンだったりすることもあるけど。
そこに鬼太郎がいそがしの情報が無いかと来ますが、ねずみ男が知ったこっちゃない。
が、その前を通ったワンダ運送のトラックの運転手から凄い妖気を感じました。
ワンダ運送では忙しさのあまり荷物を崩すわ蹴り飛ばすわの大騒動。
いそがしがいなくても年末の荷物の扱いってこんなとこがありそうに思いますが…
こんだけ忙しく立ち回ってもまだまだ荷物が減らないってのは大繁盛のようで、この不景気のさなかいいことではないか?とさえ思えてきました。
なにせ、生産縮小のせいかなにかで業務用の新車在庫さえ無いというぐらいの不景気のようなので(笑)
ついに所長が倒れてしまいました。
こんなふうに舌を出して気絶するってのは珍しいという話だったような気がします。
それを助け起こそうとした哲也からは忙しオーラが出ていません。
それに気付いたいそがしが天井から降りてきました。
そんなもん見たら哲也でなくても驚きますわな。
「つまんねーだろー、忙しくねえとよ。忙しく忙しく働いて働いて、ブッ倒れんだよ!それが幸せってもんだろ?」といそがしが説教を食らわせますが、何十年前の話だろう?
哲也は過労で死んだ父、意識不明の母を思い出し「違う」と明確に否定します。
「オレが倒れたらまゆは独りぼっちになっちまう。そんなの絶対させねえ!」といそがしの手を振り払うのですが、すぐに取り押さえられて縄をかけられました。
そこにナイスタイミングで鬼太郎登場、ちゃんちゃんこでいそがしを放り投げます。
「これ以上人間に迷惑をかけるな」と諭す鬼太郎に「ヤツラが好んで忙しくしてオレはそれを楽しんでるだけだぞ」とあくまで屁理屈で返すいそがし。
ヒートアップさせなきゃ成り立つ言い訳だけどな。
いそがしは目にも止まらぬ速さから攻撃を仕掛けてきました。
髪の毛針で迎撃しようとする鬼太郎ですが、操られた従業員に羽交い絞めにされます。
忙しオーラを出し尽くした人間はいそがしの傀儡と化してしまうんだそうで。
いそがしは鬼太郎に縄をかけて忙し状態にしてしまいます。
鬼太郎史上、1、2を争う酷い顔でしょうか(笑)
鬼太郎は物凄い勢いで荷物を抱えてトラックと集荷所を往復しだしました。
本当に中の荷物が心配です(笑)
その様子を見て笑ういそがしですが、いきなり鬼太郎の動きが止まりました。
「これで哲也君の仕事は終わりだろ」と。
いそがしが慌てて振り返ると、荷物は全部トラックに積まれていました。
鬼太郎は自力で縄を引きちぎります。
目玉のオヤジが「鬼太郎は忙しいくらいでは我を忘れたりはせん。マイペースなんじゃからなあ」と誇らしげに言ってますが、それはいつも寝てるニートだと言ってるに等しいのでは?
鬼太郎の反撃の始まりです。
打ち出す髪の毛針はことごとくかわされますが、これはいそがしを追い詰めるための誘いでした。
鬼太郎を見失って慌てるいそがしに「忙しいだけのお前の動きはもう見切ったよ」とさらに慌てさせる鬼太郎。
こうなると余裕が無いのがデフォのようないそがしに勝ち目はありません。
上から鬼太郎に押しつぶされ、ちゃんちゃんこで拘束された上に体内電気まで食らいました。
ようやく「大人しくします」と観念したわけですが、逆に言うとそれだけやられないとどうにもならない性なのね。
事件を解決した鬼太郎は「父さん、やりたいことがあるんですが」とオヤジに提案します。
まゆを迎えに行った哲也は遅くなった事を謝りますが、まゆは仕事が忙しいんだからと理解を示します。
なんてよくできた兄妹だ。
帰りにお地蔵様が雪を被ってるのに気付きます。
屋根が壊れたまま直してないらしい。町内会ですぐに予算がつく話だと思うのだが。
まゆはお地蔵様に自分の傘を立てかけました。
哲也たちは今晩は母親の病室で寝る事にしたようです。
まゆたちが去った後、お地蔵様の前に鬼太郎たちが集まりました。
井戸仙人が薬をかけるとお地蔵様が動き出します。
鬼太郎が「僕らの気持ちをまゆちゃんに届けたいんです。お力を貸してもらえますか?」と尋ねると、静かにお地蔵様は頷きました。
「よーいさよーいさよーいさな、よーいさよーいさよーいさな、お地蔵様に傘かけた。優しい兄妹どーこーだ」と行列を組んでまゆの母親の入院する病院まで行進です。
保育所でまゆが読んでた本が「かさこじぞう」だったのはこれの伏線ですか。
お地蔵様が掲げる蓮華だか宝珠だかに妖怪たちが妖力を注ぎ込むと、お地蔵様が母親の病室でそれを解放しました。
母親の顔が穏やかになって一安心と帰るお地蔵様をまゆが見てしまいます。
お地蔵様の慌て具合がそこはかとなく楽しい。
結局お地蔵様は「南無~」と誤魔化して出て行ってしまいました。
その直後にお母さんの意識が戻ったもんだからどうでもよくなったようですが。
外ではねこ娘が「どうしてお母さんを助けてあげようと思ったの?」と鬼太郎に少し意地悪な質問をしていました。
鬼太郎は頬を赤らめながら「お地蔵様に届けられた願いを聞いちゃったから」と言い訳しますが、「いや、嬉しかったんだよ。彼らの自分の境遇に負けない優しさや、頑張って生きようとする強さが嬉しくて、僕も、お地蔵様にお願いしてみたくなったのさ」と言い直しました。
いい話ではあるんですが、結局は気まぐれに近いものでしかないことではありますな。
もっとも、縁や運命は気まぐれで不確定なものなので、当たり前ではありますが。
お地蔵様は傘を持ったまま石に戻りましたが、年末のちょっとしたニュースになったんでしょうね。
次回は鬼太郎大捜査網です。
関連?商品----------
| 固定リンク
コメント