【鬼太郎】第2話 金儲けの才覚
今更ではありますが、『ゲゲゲの鬼太郎』5期で感想を書いてないエピソードを埋めていこうと思いました。
何故第1話からじゃないのかというと、録画してなかったから(笑)
ということで、ねずみ男登場の回からです。
バーの裏手で吹っ飛ばされてる男が一人。
「カラスや猫だってもう少し綺麗に漁っていくぞ」とマスターが吐き捨てて去っていきますが、その相手はねずみ男でした。
食料を探すためにゴミ箱漁りをしてたんですな。
不景気のせいでゴミも少なくて飢え死にしそうだと言ってますが、2007年のことであり、まだ今から考えると景気は良かったですよね。
そら鬼太郎も終わるわ。
そんなゴミの中からノートパソコンを拾うと、なんと動きました。
パソコンには個人情報が消されずに残ってて、そこから何か金儲けの臭いを嗅ぎつけたようです。
商店街では鬼太郎が「魚の目玉をあるだけくれ」と魚屋に頼み込んで貰っていました。
古めかしい格好でそんなことを言う子供ですから、目を引くのですが、礼儀正しいので何とかスルーされてるようです。
魚の目玉は、目玉のおやじの大好物であるスープの材料。砂かけばばあに頼まれた買い物も。
人間世界での買い物は鬼太郎が請け負うわけですな。
砂かけの欲しいものはリフォームの本でした。
長屋を改築したいと常々言ってるし。
でも、レジに持って行ったところでお金が足りない鬼太郎(笑)
「こんな薄い本が1250円もするなんて」と言ってますが、もっと薄い本が2500円とかするのに何を甘いこと言っとるか。
それ以前に、砂かけは本の代金を渡してないのか?
「また今度にします」と出直そうとした鬼太郎に声をかける女の子が。
我らがネコ娘です。
ティッシュ配りのバイトの制服がコレってのはどういうことだ(笑)
結局ネコ娘からお金を借りて解決したようですが、「どういたしまして」と答えるネコ娘が実に可愛い。
人間社会に溶け込んで仕事をしているネコ娘を凄いと褒める鬼太郎ですが、逆に世間に疎すぎるとオヤジから藪蛇な指摘が。
「いっそネコ娘を嫁に貰ってはどうじゃ?」とのオヤジの言葉に「やだぁーお父さん」と頬を赤らめるネコ娘。
しかし鬼太郎はすかさず「ネコ娘を?悪い冗談は止めてくださいよ、お父さん」と即却下(笑)
刺されても文句は言えないレベルだ。
オヤジは「そう捨てたもんではない」と言いながらも「まあ、200年程度の我慢じゃ」とこれまた酷い仕打ち。
妖怪がたった200年ぐらいで姿かたちが変わるもんかね?
さすがに腹に据えかねたネコ娘が一言言ってやろうとしますが、そこに慌てた様子の砂かけが飛び込んできました。
何かと思えばねずみ男が妖怪横丁にやってきたんだそうです。
そういえば、彼は横丁の住人ではなかったな。
ネコ娘は怪しい儲け話に巻き込もうとしてる、とにべもありませんが、だいたい合ってるか。
ところが、実際には小奇麗な格好をして変なポルシェで乗りつけ、小豆洗いの饅頭一つに一万円を払うリッチぶり。
拾ったノートパソコンの中にあったメールアドレスに「根津三男(ねず みつお)」という名前があり、この男が街や森を潰して大きなビルを建てて大もうけしてる悪徳業者(砂かけ談)で、ねずみ男はメールを出して自分を売り込み、雇ってもらったらしい。
ネットに繋ぐのもタダではありませんが、電器屋の店頭のLANに差し込んで送った様子。
その一瞬で接続を済ませるんだから、けっこうなスキルも持ってるんでしょうな。
メールで送ったえげつない地上げプランがいたくお気に召したらしく、会った瞬間には意気投合したというから、かなりな悪人であることは間違いない。
社長の甥っ子という建前を手に入れて業績を上げた結果、こんなリッチになってると。
変われば変わるもんだと囁きあう妖怪たちは、この段階ではまだ黒いモヤモヤしたものです。
妖怪横丁の住人もまだ確定はしてなかったんだろうなと余計なことを考えてしまうのはファンゆえでしょうか(笑)
鬼太郎のゲゲゲハウスに来たねずみ男は鬼太郎に「一緒にやろうぜ」と持ちかけました。
ねずみ男のことだから、多少は鬼太郎への思いもあるものの、今まで見下してた横丁の住人も含めて見返して自慢したかったんでしょうね。
滅び行く妖怪に比べたら人間社会のほうが化け物じみてるというねずみ男の主張はわからんでもないですが、妖怪が滅びることはないわな。
今でも「ちっさいおじさん」とか新しい妖怪は次々生み出されてるし。
熱弁するねずみ男にオヤジが湯をぶっ掛けて追い出してしまいます。
「人間界に馴染むのと人間に媚びるのとは違う。プライドの無い妖怪を見るのは不愉快じゃ」と。
鬼太郎も「人間の真似をして調子に乗ってると必ず痛い目に遭うぞ」と追い討ちをかけました。
正論すぎて太刀打ちできないもんだから「正義の味方気取りで」とレッテル貼りしかできないねずみ男ですが、「友達だから言うんだ」とあくまで鬼太郎は真摯です。
気圧されて帰ってしまうねずみ男は真っ直ぐに鬼太郎の目を見ることはできないんだな。
一方その頃、ねずみ男の車は妖怪たちのオモチャになってました(笑)
子泣きがボンネット上で泣いて潰すわぬりかべが屋根を引きちぎるわのやりたい放題。
慌てて出て行きましたが、よく車が動いたな。
それを呆れたように見送った鬼太郎でしたが、かわうそが袖を引っ張り「あいつからちょっとだけ死の臭いがした」と告げます。
後にアマビエと漫才コンビを組む(違)とは思えないほど大人しいな。
ねずみ男は夜中になっても一生懸命に机に向かって仕事をしています。
ねずみ男の凄いところは楽して儲けたいと思ってはいても、実際には仕事に熱中するところだよな。
先に帰ろうとしたねずみ男の秘書は、ビルが普通とは違っていることに気付きました。
エレベータでは壁から骨の指が掴みかかってきます。
次の日にそれを知らされたねずみ男は妖怪の仕業だと確信して調べると、このビルのあった地に昔刑場があったことを突き止めます。
社長に直訴してみると、祠があったけど壊しちゃったとか。
それで、死者の霊を司る妖怪が目を覚まして、ビルの住人の精気を喰らいだしたというわけです。
今まで起こらなかったのが不思議だけど、ねずみ男のせいで刺激されたのかもしれないな。
社長は取りあわないけど、ビルは完全に妖怪と化してました。
実際の刑場跡は寺と隣接とか境内とかになってるから、よほど強引なことがなければ出来ない気がしますが、その強引をやってしまったがゆえに妖怪も出てくるんでしょうか。
ねずみ男は話し合いでなんとかならんかといつもの衣装に身を包み、妖怪を捜し歩きます。
見つけた妖怪に人間を食わないでくれと頼むねずみ男でしたが、「お前は口の中に飛び込んできた食べ物を我慢できるのか?」とディオばりにシビれるセリフを言われてしまいました。
ビルは既に妖怪の腹の中だから、「そこに居るから喰う。当たり前の話だ」ということで取りつく島もありません。
社長が居なくなれば今の生活が消える、と土下座するねずみ男でしたが「社長とかいう人間ならば、今喰っているとこだ」と衝撃のシーンを見せ付けられてしまいました。
初期の鬼太郎はホラーテイストというか、やりすぎた人間を妖怪が懲らしめる話だったんだよな。
「お前も喰う」と引きずり込まれそうになるねずみ男を助ける一対の下駄!
鬼太郎です。
ネコ娘に引きずられて驚くねずみ男ですが「やっぱりアンタ妖怪に関わっていたのね。助けに来たんだから感謝しなさいよ」ってどこから察知したんだろう?
ビルの屋上に追い詰められた鬼太郎たち。
オヤジによると、この妖怪は「がしゃどくろ」
亡者の集合体で、一度怒らせたら最後、相手の精気を喰らい尽くすまで治まらない厄介な妖怪だそうですが、出てきたのは20世紀後半で昭和も40年代の頃。
浮世絵「相馬の古内裏」から創作されたのですが、新しい妖怪を作りたくなるほど躍動感に満ちた絵だと思います。
相馬の古内裏(千葉市美術館)
鬼太郎の妖怪アンテナが反応しました。
しかも中折れで場所まで。この頃は非常に役に立つものだったんだな。
がしゃどくろが顕現しましたが、ビルの上に付いたロボットのような感じでRPGのボスキャラのデザインみたいだ。
鬼太郎を潰そうと手を振り下ろしたらコンクリートの屋上が凹むぐらいに強力な妖怪です。
鬼太郎の髪の毛針も一向に効く気配ナシ。
外側からはダメージを与えられないので、内側に飛び込む方法を考える鬼太郎。
ねずみ男の「精気を吸うなら鬼太郎の」といういつものことっちゃあいつものことなセリフに何かヒントを掴んだようで、下駄を手に持ちがしゃどくろに突っ込んでいきました。
そんな攻撃が通じるはずもなく、あっさりと精気を吸われて喰われてしまう鬼太郎。
しかし、それが鬼太郎の罠。
内部からがしゃどくろを破壊します。
鬼太郎は、捕まる直前にちゃんちゃんこに魂を隠してわざと精気を吸わせたんだとか。
魂さえあれば下駄をコントロールできるので、下駄を使って内部から打ち砕いた、と。
魂さえなんとかなってれば精気を吸われても大丈夫ってのは鬼太郎のケタ外れの丈夫さを示しているな。
そして、ミイラ状になってから反撃、武器としての髪の毛槍と、これからの基本パターンが全て凝縮されていますね。
鬼太郎の説得に応じてがしゃどくろは眠ることにし、奪われた精気も元に戻りました。
これを見てもがしゃどくろって悪の妖怪ってわけじゃないのな。
だからこそ、後の妖怪大法廷で決定的な役割を果たすわけですが。
もちろん社長も元に戻りましたが、このままねずみ男を雇い続けるわけもなく、ねずみ男は元の生活に逆戻りですが、ビルの前には慰霊碑が建てられました。
「これでねずみ男も懲りたでしょ」と言うネコ娘ですが、「勝てないのは僕のほうみたいだよ」と落ちていた雑誌を拾う鬼太郎。
実に自然な動きで、普段から拾い慣れてることを感じさせます。
そこにあったのは、怪奇ライターとして活躍するねずみ男の姿でした。
短期のブームに便乗してあぶく銭を稼ぐんだろうけど、このへんの努力と才能は評価されていい。
「オレは転んでもタダでは置きねえぜ。これからも見てろよ、鬼太郎!」と宣言するねずみ男ですが、これからも持ちつ持たれつで仲良くやっていくんですよねえ。
何はともあれ、ねずみ男の才覚とバイタリティを一発で示した良いエピソードでした。
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コメント
はじめまして。
ネコ娘をこよなく愛する者です。
第2話大好きです。
バイト姿もさることながら、
「どういたしまして」は最高!
鬼太郎、刺されても文句は言えない…かなりグッドなお言葉です!(笑)
今後の更新も期待しております。
投稿: ひろきち | 2010年10月11日 (月曜日) 21:04
>ひろきちさん
ネコ娘可愛いですよね。
だから、『ニャニャニャのネコ娘』だけ買ってたりして(笑)
一応3話からの録画データも残ってるので、感想を書いてないところも埋めていこうとは思っているんですがなかなか……。
気長にお待ちください。
投稿: ヴィー | 2010年10月12日 (火曜日) 01:14