家のすぐ近くにありながら、航空祭はともかく見学に行ったことのなかった航空自衛隊岐阜基地。
せっかくだからと見学を申し込んでみました。
航空自衛隊岐阜基地
代表番号に電話して見学を申し込みたい旨を伝えると、担当部署に回してくれます。
3週間先から予約ができるので、平日で都合のいい時間帯を伝えましょう。
自衛隊機の離陸時間にあわせて一日ニ、三回あるようです。
電話で時間をおさえると、後ほど申し込み用紙が郵送されてくるので、必要事項を記入して返送します。
私の場合は住所を聞かれなかったというミスのために申し込み用紙が届かず、向こうの方に必要事項を記入していただいて、現地で印鑑を押すという手段で乗り切りました(笑)
正門は西側にありますが、車で行くと基地内の移動に使えるので、基地内を走ってみたい方は是非とも車で行きましょう。
助手席に広報官が乗ってくれる特典付きです。
私はサルミアッキ食べながら行きました。
正門の内側にはバリケードがあって、入るにも出るにも直進ができないあたりは軍事基地。
まずはパワーポイントで作られた資料を元に明治時代から続く沿革の説明とPAC3広報用のDVDの視聴。
PAC3の動画を見て、今まで恥ずかしい勘違いをしてたことに気付きました。
映像の中ではノドンらしきミサイルが発射されるのですが、ブーストフェイズを過ぎたらロケット部が落下して弾頭部のみが飛翔しています。
何となくミサイルが落下してくるようなイメージがあったんですが、燃焼を終えてデッドウェイトになったものを後生大事にくっつけているわけないですな。
続いて資料館。
F-86Fのコクピット部や各種エンジンなどを雑多に置いてあり、ぱっと見ではガラクタ置場に見えないこともない(笑)
F-86Fのコクピットは狭かったです。
T-4のコクピットはもっと広かったし、手を伸ばすのも大変なところにやたらなスイッチがあった記憶はありません。
スイッチの操作中に手袋引っ掛けて破るんじゃないかと思ったぐらい。
射出座席はF-86FとF-15Jのものを並べてありました。
F-86Fのはパラシュートをパイロットが背負う方式ですが、F-15Jのは座席に仕込まれています。
感心したのはF-15Jのほうは脱出時に両脇からネットが出てきてパイロットを固定するようになっていたことで、これによってかなりの危険が除去できていますね。
他にはブローニングM2やボロッボロになった九九式小銃などが展示してありました。
20ミリ機銃弾も置いてありましたが、「2,3発で相手はバラバラになる」という話に少し首を傾げました。
確かにF-15Jの燃料タンク(=主翼)に20ミリ弾が当たると燃料のせいもあってかなり大きな破口が開きましたが、聞いたところによると廃棄したCH-47から取り出した一畳ほどの外板(もちろんフレームもストリンガーも付いてます)に撃ったときにはそうたいした損傷にならなかったようなのですが。
C-46のR2800エンジンも置いてありました。
こうして見ると、レシプロエンジンは重いわ大きいわで、なるほどジェットエンジンには勝てんわと思わされます。
R2800といえばF6FやF4Uですが、某クイズに出てくることはあるでしょうか?
秋水の模型がありましたが、三菱にある復元機ここにあればなあ……。
航空自衛隊で使用した各種航空機のデスクトップモデルも展示してあったような気がします。
今回一番注目したのは爆弾のモックアップ。
適合性試験などに使われたんでしょうか?
いまどき2000ポンド爆弾なんて使う機会無いだろうな。
他には旧軍の軍服や勲章、略綬、各種取り扱い説明書や出版物なども展示されていました。
正直言って一時間やそこらではとても見られませんね。
九州へ特攻隊として出陣した予科練の生徒が残した寄せ書きもあり、短歌は技術的にはともかく、まっすぐな思いはしっかり伝わってきて、これまたいつまでも眺めていたいものでした。
廊下にあったプロペラは通りすがりにチラ見するしかできなかったわ。
次は車に乗って北側のエプロンに向かいます。
自衛官がジョギングしてたりして、炎天下にお疲れ様でしたが、途中にあるT-6やT-2、C-46についつい目が奪われて速度が落ちる危険な運転だったかも(笑)
エプロンではF-4RJ、F-2、T-4が次々と飛行前点検の後に誘導路へ消えていきました。
少し離れたところにXC-2があったので、飛んでくれるとラッキーだなと思ってはいたのですが、そのまま格納庫に引き込まれていきました。
広報官の方が「7」とか言ってたので、第七格納庫でしょうか?
XC-2の#01,#02の試験場として作られ、将来的には岐阜基地に移管されてC-2の格納庫になる予定の建屋です。
まだ#01や#02の試験やってるなんてことは……ないよね?
パイロットと地上クルーとの緊張感あるやりとりや、エンジンの始動音、風向きにもよるけど吹き寄せてくるジェット排気の熱風に包まれたり目が痛くなったりと「ここは天国か」という状態。
暑い日差しの中にいたはずなのに、ほとんど暑さを感じなかったものな。
F-4EJやT-4のエンジン始動音は素直な高周波で聞いてて心地よい。
T-4はエンジンが小さいだけに回る音にも必死さが出てて可愛い気がします(笑)
F-15Jは個人的には好きな音ではないので、整備してるだけで出なかったのは良かったかも。
写真撮影OKだったら取り捲ってただろうか?
いや、見るのに夢中でカメラなんか使わなかっただろうな。
資料館でさえほとんどそんな状態で、帰ってから「あれ撮っときゃよかった」ってことばかりなんだから。
1機のT-4クルーがこちらに手を振ってくれたので、思わず手を振り返しましたが、航空祭と違って私だけに振ってくれたんだよね、と心の中でニヤニヤ(笑)
最後は、また南側に戻って売店に案内されました。
デイリーヤマザキのコンビニで、平日は21時30分までやっています。
24時間じゃないんだ、と思いましたが、就寝が22時だったはずだから、それ以上営業してても無意味ですね。
通常のコンビニ商品に加えて、「炎の大作戦」などの各務原航空宇宙博物館でも買える自衛隊土産、そして服やワッペンなど、一般人は航空祭の出店でしか買えないものが置いてありました。
ワッペンを見ていて特に興味を惹かれたのがコレ。
UH-60に給油プローブが付いて後ろに日米の国旗とHC-130が。
刺繍の文字はUH-60Jの空中給油試験とあります。
デザインも秀逸なので買ってきて調べたら、今年三月に米軍の協力で空中給油試験やったようですね。
【救難ヘリへの給油試験終了 沖縄で飛実団】(朝雲新聞)
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飛行開発実験団が救難団と米空軍のHC130空中給油機などの支援を受けて2月中旬から沖縄周辺の訓練空域で行っていた空自UH60J救難ヘリ2機への空中給油の飛行試験が3月9日までに終了した。
現在、データの解析が進められており、飛実団の移動試験隊は機体から試験用の計測装置を取り外した後、3月下旬までに撤収する。2機は昨年4月、空中受油機能を付加して那覇救難隊に新規配備されたもので、試験では受油ブームの付いた2機のうち1機を試験機に、もう1機は状況の監視に当たるチェース機として使用した。
時速約200キロで飛行する固定翼機の米HC130にUH60Jヘリが接近、プローブ・アンド・ドローグ方式で米機から後方に延ばされた給油ホースにヘリの受油ブームをコンタクトして給油。期間中、約10回の飛行試験が行われた。
空中受油機能付きのUH60Jは今年度末までに空自にさらに2機、22年度末までに1機の計5機の導入が予定されており、将来的には2月に小牧基地に配備された空中給油機能付きのC130H輸送機がこれらUH60Jヘリに空中給油を行うことになる。
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そして、ワゴンに積み上げてあったのが「自衛官三姉妹」
陸のハルカはキャラメルチョコ味、海のアキナは黒豆味、空のナナミはパンプキン味と分けられていて、三姉妹缶はキャラメルチョコ味です。
中に入っているのは乾パンではなく、しっとりと柔らかいパンで、賞味期限は買ってきたものは2015年の4月から5月になっていました。
自衛隊内の売店でしか手に入らなかったものらしいのですが、今は売っているところがあるようですね。
よこきんオリジナル商品のご注文。
製造元で一つ630円、他で見たのは一つ850円だったりしましたが、自衛隊の売店なら一つ500円です。
もしもの災害時には役に立ってくれるかもしれません(笑)
2時間のコースなのですが、全く時間が足りませんね。
今年は10月24日が航空祭の日で、私はまたしても南側の展示機中心に回るつもりですが、また新しい視点が増えそうです。
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